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LHRも終わり、下校時間
恵実は期間限定発売のケーキを買うためにお気に入りのケーキ屋に行った
なので今日は俺一人で下校している
「すいません」
ふと、人通りが少ない道を歩いていると声をかけられた。声をかけてきたのは、金髪の外人の女性であまり日本語に慣れている様子ではなかった
「これ、あなたのでは?」
女性が差し出してきたのはハンカチ、ポケットを探るとハンカチがなかったので、確かに自分の物だった
「あぁ、ありがとう」
女性からハンカチを受け取ろうとしたその時
トス
と『何か』が入ってくる感覚、女性の手にはハンカチに隠して小さなナイフが握られていた
ナイフは腹に突き刺さり、ジワリと血を滲ませていた
俺は女性の顔を見る
その顔は、とても悪意に満ちた醜悪で卑劣な笑顔だった
刺された場所から血を流し、俺は後ろに倒れた。急に腹が熱くなり、せき込んで血反吐を吐いてしまう
やばい、死ぬ
小さく短いナイフで刺されたはずなのに、出血の量が半端じゃない
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