第1話 転生と異世界

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女は恍惚の表情で喚き散らしていた、よく聞こえない そして、何かに気が付いたように後ろを振り返り、ナイフを見せびらかす 誰かがいた 首を動かすのも苦痛で、もはや体の自由も聞かない状態だった 大げさな身振り手振りで話していた女だったが、俺に向けていたナイフを持った右手が『消し飛んだ』。一瞬の沈黙、何が起きたかを理解していなかった女の顔は痛みに歪んでいく 視界の外側にいる相手に何かを喚き散らし、左手を向けると女の手は光を放ち始めた。しかし、右手同様左手も肩まで『消し飛び』女は悲鳴を上げる 咆哮にも近い叫びは俺の耳をつんざき、不快感を与えた しかし、俺は次の光景にそんなことも忘れた。女の消し飛ばされた腕が生えてきたのだ グロテスクに血管や筋肉、骨がビデオの巻き戻しのように再生されていく おかしい、明らかに異常だった 再生した手に、服に隠していた拳銃を握り視界外の人物に向ける女 自分が優勢だと思い女は先ほどの痛みに歪んだ表情から一転、優越感に浸った表情をして引き金を引いて発砲した
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