第1話 転生と異世界

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恵実は近所の公園にたどり着き、ベンチに俺を降ろすと膝枕をする 普段であれば、涎を垂らしながら『ぐへへ...佑都に膝枕だ』とか言ってるんだろうが、今の状況でそれをするほど馬鹿ではないのは流石にわかる 「あたしはね、神様なんだ」 恵実からの唐突の告白 まぁさっきの女が天使だったから、恵実が神様でも別に驚きはしない 「あたしのこの体、『滝原恵実』という人間もね...あたしがこの世界に来た時に死んでるの」 衝撃の真実、恵実は偽物だったのだ 「『滝原恵実』は見えないはずのあたしの存在に気が付いて、死ぬ前にこう言ったんだ。『もうすぐ自分の家に、新しい家族がやってくる。自分が死んでいたら寂しいだろうから、悲しませないでほしい』って...だからあたしは『滝原恵実』の体を器に、この世界に顕現した」 その新しい家族というのは、おそらく俺のことだろう 「だから、あたしが佑都と一緒にいたのは『滝原恵実』からの祈りであり契約。あたしがこの世界に存在することへの対価に、あたしがこの体で果たすべき使命を課した...それが佑都と共にこの世界で生きることなの」
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