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白い光
瞼を通して入ってくるまぶしさに思わず目を開けた
「あ、起きた?」
「...え」
眼を開けて映るのは恵実の顔
しかしその向こう側、青空があるであろう空には何もなく、これ以上ないほどに白く染め上げられていた
「ようこそ、あたしの隠れ家へ♪」
俺はベッドに寝かされていたようで、布団を捲り起き上がる
周囲は白一色。俺の寝ているベッド、それからテーブルに椅子と簡易的なキッチン以外には何もなかった
「俺、死んだんじゃないのか?」
「死んだよ、今の佑都は魂だけの状態」
恵実に言われ、自分の手を見つめる
とても自分が死んだとは、思えなかった
「とりあえず後処理としてあの世界に『滝原恵実』と『青柳佑都』がいた痕跡を完全に消させてもらったよ。流石に佑都を蘇生させるのは無理だったけど、魂が虚無に堕ちる前に持ってくるのは成功したんだ」
何を言っているのかはよくわからないが、どうやら俺は恵実に助けられたらしい
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