怪しい気配

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始めたきっかけは面接日に出された秘密のお茶で、姉妹で見事に身体に刻印が表れ、大量の汗をかいてしまった。 貧乏でお金が欲しかった私達は、お茶で表れた刻印のおかげでイザリ屋にスカウトされ、給料と待遇がいい今の職を選んだ。 直接標的と戦う執行役なのでリスクはかなり大きいし、任務日までに能力を高めたり現場で急に使える場合もあるので、必ず技や能力が上達する保証もない。 姉妹で社長の立花一生に気に入られてしまい、直接トレーニングを受けていたが、キャラが濃いのかあだ名までつけられた。 他のメンバーからすれば有難い話らしいが、私達にとって勤務後のトレーニングは面倒だと思った事が何度もある。 その内偵察役の応援に行ったり、ハプニングに見舞われたりしながら現在に至る。 仕事を行うのは爬虫類や両生類や動物達が、同じように生活をしている異世界だが、怪しい依頼は今の所全くない。 向こうの世界の警察組織のような所から、自分達では手に負えない標的をイザリ屋に葬るよう任せられているからだ。 正式には葬るというより消滅させるという感じで、任務の時に渡される双棒や能力を使うと、敵は灰になって消えてしまう。 向こうの攻撃のダメ―ジも受けるので、救護出来る者もチームに入っているが、任務の時にはリュックを渡され好きなパンも入っている。 初めの問診で答えた通り、私はあんぱんで妹はカレーぱんだが、普通のパンではなく体力が回復され勿論お腹も満たしてくれる。 泊まりの任務時は、向こうの世界の飲食を直接は出来ず、持参した消毒液を一旦スプレーしないとお腹を下すらしい。 今ではすっかり慣れたが、初めの内はビクビクしながら慎重に振りかけていた。 そんなある日、いつものように任務の前に打ち合わせをし、USBをメーンパネルに差して門を潜った瞬間から違和感を覚えていた。 『誰かに見られてる』 今日のメンバーはリーダーの朝桐悟(あさぎりさとる)と社長の孫で救護の立花啄、私達姉妹の四人で、基本は夜に動くが向こうの世界に移動しても時差はない。 私達は制服に刺繍がない無色チームなので、昆虫や両生類という比較的低レベルの標的なのもあり、田舎の風景が多かった。
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