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俺は、先生の手を、口元へ引き寄せる。
「先生…」
口に、先生の中指を入れた。
痛そうな箇所ごと、きゅっと…少し吸う。
「ん…」
そんな甘い声を出さないで…つい、舌を絡ませてしまう…
「あっ…」
そんな色っぽい声…。
手首ごと掴み、ぐいっと先生を引き寄せた。
「あ…」
ぎゅう…っと抱き締める。
先生も…腕を俺の背中に回し、固く抱き締め合う。
俺の奥が…熱くなって、固く…なって…息が荒い。
心臓の音ばかり聞こえて、平静を保つのがやっと…。
キス…しそう。いや、するべきだろう…。
クソッ…! 待て…!
俺はブレーキを、フルでかけた。
通常モードに戻れ、ユキ!
良心の叫びが、遠くで聞こえた。
暴走機関車にフルブレーキがかかり、車輪とレールの間には激しい火花が散る。
「…あ、あの…」
「…」
「すみません」
抱き締めながら言うセリフじゃないよな。
俺は天井の蛍光灯を、ただただ見つめながら…。
「戻り…ましょうか…」
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