第3章 リユウ。

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ブラウスを整え、社長室に、入る私。 「失礼します。 江崎です。」 あくまでも、昨日の事など、無かったかのように、平静を装う。 「入れ。」 社長は、そう短く答える。 「失礼します。」 入ると、社長は、また、デスクの端に浅く腰かけ、長い足を床に持て余していた。 どんな、格好をしていてま、まるで外国映画のワンシーンのように、様になっている。 くやしいけれど、、、、。 「何の御用でしょうか?社長」 私は平静を装い、そう尋ねる。 社長は、端正な口を開く。 「あぁ、このポスターの件だが、よく出来ているよ。 キャッチフレーズも、モデルの配置もいい。 ただ、一点だけ、肝心の口紅の発色が足りないな。 色をやり直してくれ。」 そう言われて、足元にポスターをぽんと投げられる。
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