杏とメモ

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 なるほど。七不思議とは考えたな。しかし情報源はどこからだ? まぁこんな狭い村なら問題なく情報は流れるか。  そして話を聞いたあとは畑の草むしりを手伝って帰ることにした。思いの外手入れされていて手を付けることがないくらい綺麗な畑だった。  その帰り際。ふと杏がこんなことを言い始めた。 「神社に毎晩美弥ちゃんがいるから、困ったときは行くといいよ。まぁ祐輔なら大丈夫だと思うけどね」 「……そうだな、何かあれば行ってみる。あと、何かあった時にはここに連絡してくれ。俺の携帯番号だ。美弥子にも渡してある」 「わかった。何かあったら連絡するよ」  そう言って杏の家を後にする。そのまま俺は神社へ向かった。誰に合うわけでもなく、少し気になることがあっただけだ。  神社には相変わらず誰もいない。閑散としていて落ち着く雰囲気だった。  神社の周りをぐるぐると見て回って、どうやって中へ入ろうか考える。そういや、神社は俺らが生まれた時には誰もいなかった記憶がある。だからこそ遊び回れたし、立入禁止もたくさんあった。しかし今なら、そう思い、裏の森へ入っていく。
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