神社

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神社

 そこは異様な雰囲気だった。空気が淀んでいて、外界と隔離されたような、そんな雰囲気を持っていた。  きょろきょろと見渡すが何もおかしなものはない。思い違いか、そう思った時、ふと目についたものがあった。 「あれは……井戸か?」  とっくに枯れ果てたであろう古井戸が目に入った。そこを覗いても何も見えない。 「ライトがいるな。懐中電灯、持ってくるか?」  しかしそれは怪しまれる。何かないか。その何かを探して雑草まみれの森を探索する。すると明らかにおかしなものを見つけた。  土が新しい。掘り返して埋めたような、そんなようなものが幾つもある。古いのから新し目のものまで。 「これは……。決定的だな。とにかくもう少し奥まで行ってみよう」  神社の森を奥に進んでいくと墓がある。 「こんなところに墓? しかもかなり古いぞ……」  とりあえず携帯のカメラで写真を撮る。何も写りませんようにと祈りつつ何枚か撮っていく。  朽ちた木の板がそこにあれど、墓石なんてものはない。かなり古いものだ。その割には土質が新しい。 「……ここもか? こんなところまでよく……」  そう考えていると、後ろに迫る気配に気づくことはなかった。衝撃とともに俺の意識は真っ黒になっていた。
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