真相

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「――――実は七年前から村の人が失踪する事件があったんだ。詳しいことはわからないけど姿を消した人間は戻ってこない。だから、一気にこの話が広まって、村の七不思議みたいになったんだ」 「それに合わせて関連付けられたのが、佐々羅琥珀が姿を消す事がある。何らかの事件があった時には彼女はいない。だからこれの犯人は琥珀じゃないかって話が濃厚だよ」 『古井戸に白骨死体の写真が報道』  そして俺の組み立てたメモ。 『七年前、とある夫婦が失踪した。佐々羅琥珀の両親。とは言っても血の繋がりはなく、里親。児童相談所によれば虐待があった模様。その露見を恐れ、山見村へ転居。そして虐待は酷化するも児童相談所の訪問を何度も回避。そして今回の事件に繋がる。しかし犯行後は村の態度が一変して村八分状態になる。そこから七不思議が始まった』  琥珀は無理だと悟ったのか、ぐったり脱力している。そして俺の携帯が鳴る。 「神木くん、ご苦労。山見村の調査が完了した。放棄された白骨、そして埋められた骨をいくつも確認した。あとは君のところへ行くだけだ」 「分かりました。犯人がこの場にいますので至急お願いします」  そう言って電話を切る。そして数分後、何台ものパトカーがまばゆくこちらを照らしてきた。 「佐々羅琥珀、確保しました」  その手には手錠をかけられ、パトカーへ乗せられていく。終わったのか、本当に。 「ねぇゆうくん、本当は琥珀のこと好きだったんでしょ。だから最後まで本人には聞かずに調査してたんでしょ」  ……こいつらにも嘘はつけないのか。 「あぁ、そうだ。だからなるべく犯人だとは信じたくなかった。覚悟は、していたがな」  そしてパトカーに乗って彼女たちを送り出す。とりあえずうちへ。今日はこのまま泊めていくことにした。部屋ならたくさんあり余っているし。
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