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銃弾が拳銃の銃口から勢いよく飛び出す。
だが、理数には猛スピードで飛び出す銃弾の姿が見えていた――ただ見えていたのではなく、スローモーションのように見えた。
理数は銃弾に注視して、自分に当たらないように素早く銃弾の軌道上から避けた。
理数の真横を銃弾が通過していく。そして、そのまま背後へと飛んでいった。
「アブね、アブね」
理数がそう呟きながら、魔女の方へ向く。
「あれ? 魔女の奴は?」
魔女のいた場所には何もいなかった。
後ろかと思い、理数は素早く振り返り身構えるが、倒れた警官や警備員以外は誰もいなかった。
階段の方から足音がする。その場から立ち去ろうとすると、ケータイがバイブ音を告げた。
「よし、ずらかるか」
理数はそう呟き、本館から立ち去った。
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