錆び付いている

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 錆びついている。歯車は錆び、動くことができない。それでもなお動こうと、錆びついたその身を動かそうと音を立てる。ギリギリと、耳障りな音を。  動いてほしくない。私はそう願っているはずなのに、歯車は動こうと音を立てる。耳障りで、聞き飽きたその音を、今日も立てている。  なぜ私のものなのに、私の意志に背くのだろう。ずっと疑問に思ってきた。なぜこうも、心と言うものは意思に背くのだろう。動いてほしくない、なのに動こうと音を立てる。嫌だ、聞きたくない、その意思はとうに消え去っていた。  残ったのは、音を立てて動く心と、錆びついた私だけだった。私はそれしか求めていない。その筈だったのに。
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