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あの頃は若かったなんて、過ごした人生の半分ほど前の事に思いを馳せる。
私が小学2年生で彼は3年生の時に出会った。
引っ越したばかりで、引っ込み思案だった性格もあってなかなか馴染めなかった私を隣の家に住んでいたその1個上の彼は毎日公園に連れ出してくれた。
そのうち、公園で同学年の友達も出来て私の中の彼の立ち位置は危機的なピンチを救ってくれた王子様だった。
だけど学年も違ければ異性という壁は日を追うごとに高さを増していく。
彼と出会って7年。
彼は私と出会うまrから続けてきたサッカーの強い高校の推薦を受け一足早く合格を決めていた。
受験というしがらみもなくなり、温め続けた想いを今こそ!っと着々と準備を進めていた時だった。
その日は部活で遅くなり、家につくまでに既に7時半をまわっていた。
彼の家の前に誰かいる。
歩を緩め、その影に目を凝らした。
それは2人いた。男女がまるで一つの存在として認識してしまいそうになるほどの熱い抱擁とキスをしていた。
もちろん彼の家の前という時点でおして知るべし。
その一人は幼馴染みの彼で、もう一人の女の子の方はよくみえなかった、
状況はいち早く理解できたのに、そこからは何も考えられず動くこともできなかった。
唇を離し、視線をさまよわせた彼と一瞬目があってそこからにげるように家に入った。
そのまま部屋まで走り、荷物を捨てベッドtにうつ伏せに体を沈めた。
裏切られた。と最初に思った。
だけどただの幼馴染みじゃんとそれを消した。
所詮、ただの幼馴染みなのだ。
どんなにこっちが王子様と騒ぎ立てて、少女漫画のような展開を想い描いても何も変わらない。
幼馴染みであっても年齢がひちつちがければ、クラスでのたち位置や交友関係なんてわからないのだ。
中学生になると行事だって違うし関わると言えば、たまに学校内ですれ違ったときに話したりする程度になった。
あの女の子はきっと私より可愛くて、社交的で、もっと近くで彼を見ているのだ。
叶うはずない。
叶わないと悟った初恋。
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