そして誰もいなかった

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 俺は地下室に篭りっぱなし。  他の皆は地上にいた。  地底と地上。  そこが運命の分かれ道だったのかもしれない。  だとするなら、俺の他に同じように地下にいた人間がいるかもしれない。  勢いよく起き上がる。  コンビニやスーパーなんてあちこちにある。  食料や水には今のところは困らない。  冷凍食品や調理されたものはすぐにダメになってしまうだろうが、密封された缶詰やカップ麺はいくらでもある。  この街にはもう、人はいないのかもしれない。  けれど、隣町や、そのまた隣町になら――――
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