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さらに言えば、妬みもある。ましてや僕は血が繋がっていないのだから尚更だ。おまけに父はCIA、兄はFBIで当然、敵も多い… 必然的に恨みも買っているわけで、
それこそ、学園という閉鎖された中で襲撃にあったら大変だ。だから僕は父に内緒で偽名と身分を詐称した。
クリストファー・サン・マルタン伯爵という名前で入学する際に提出する書類もひそかにすり替えた。
……本来、自分が何処の家の者か、どういった身分の者か…などの細かく記載された紙を提出しなければならない。もちろん、父たちはシュバルク公爵家の名前で僕を通わせるつもりだったらしいが、
名前が目立つ。公爵という地位がとにかく注目を浴びるのだ。だからと言って父さんに言っても聞き入れてくれないだろうから、
学園の校門に入ってすぐにひそかに僕が造った偽の紙とすり替えた。幸いだったのは、ここのところ仕事で多忙だった父さんとヒュー兄さんが手続き等を全て執事たちに任せたことだ。
僕は執事たちを何とか言いくるめて学園には入らせず、無論、理事長や学園長に挨拶しなければ…と言い張る執事たちを半場、無理やり家へ帰らせた。
僕がシュバルク公爵家の末息子ということがバレたらそれこそ計画がパーっになる!
それだけは何としても避けたかった。
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