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「……さて、クリフェイド。身分詐称するとは一体どういうことだ?シュバルク家の名前を最初から語れば、そもそもこんなことにはならなかった!ちがうか!?」
ちっ… 面倒くさいな。なんで、よりによって一番うるさいヒュー兄さん!?
「目立つのが嫌だったんですよ。だいたい、シュバルク家の名前を出していれば確かにこんなことには巻き込まれなかったでしょうが…
力ある者に群がる人間はどこにでもいます。その権威を己のもののように振るまいたがる連中はたくさんいます。
その鬱陶しいハエ…いえ人間共が群がることなど容易に予想がつきます。それこそ何らかの対策をしないほうが馬鹿でしょう?」
ハエ!?今、言い直したけどハエって言ったよな!!!?
先ほどのクリフェイドの発言が聞こえた数人の部下たちはクリフェイドをちらちら見る。
そんなヒューの部下たちを無視し、それに…とクリフェイドは小さく溜息つく――‥
「ふぅ…
それに、たぶん僕も我慢できず叩き潰――‥ コホン!ではなく、とにかく事を大きくしたくなかったので…」
叩き潰す、って… 今、絶対言おうとしたよな!?
今度はしっかりとヒューの同僚も聞いた。
「事を大きくしたくないのはわからんでもない。だが、時と場合によるだろう!?
だいたい媚薬を飲まされただなんて私は聞いていない!!なぜ、すぐに言わなかったんだ!?」
が、ヒューはというと…
すっかり媚薬の件で頭がいっぱい、いっぱいなのか、クリフェイドの問題発言に全く気づいていない
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