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あーあ。夏休みやのに補習て。あんなムズいプリント何枚やらすねん。
可愛い生徒を思うなら、アイスやジュースくらい奢ってくれてもバチ当たらんで。
競争や言うて境内までの階段をダッシュしたから暑いし。
後ろから悠々とやって来たあいつが隣に座りながら、ソーダ味のアイスを半分コしてくれた。
「お疲れ。ここ涼しいし休憩しよーや。」
「えっ?アイスいつの間に買うたん?」
「階段下に駄菓子屋あるやん。」
「嬉し。ありがと。」
やけに暑いんは、補習後の演劇部で着た衣装とキツネのお面も付けたままやから?
私を先に上がらせてる隙にアイス買うてくれるなんてホンマ優しいな。
って今、2人っきりやん。
「にゃあ~!」
白猫が脇をすり抜けていく。2人っきりちゃうやん。気ぃ遣わせてしもたわ。ごめんやで?
ソーダ味は恋の味。食べ終わったら花火大会に誘ってみようかな?
【完】
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