第1章

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 俺達は小学生の時から同じ学校で、同じ高校にいながらも、違うクラスになり疎遠になっていった。部活もクラスも離れ、俺達の接点はなくなったのだが、先週彼女が唐突にポケモンGOをやりたいとLINEでメッセージを送ってきたのがきっかけだ。 「お、コラッタ発見。かわいー」  彼女はそういって屈み込んで太陽の光を遮りながらモンスターボールを構える。ミニスカートがゆっくりと上がり、絶対領域が狭くなっていく。 「今、見える、と思ったでしょ」 「思ってねーし」俺が慌てた表情で横を振り向くと、彼女はにやりと笑った。 「じゃあさ、捕まえてよ」  そういって渡された画面を見ると、モンスターボールが残り十七個と表示されていた。ちなみに最初五十個は支給されている。 「……どんだけ失敗してるんだよ」 「投げ方がわからなくてさ」 「こうやるんだよ」  俺はいつも通り、カーブをつけてボールを投げた。しかし画面にはボールは表示されておらず、コラッタがきょとんとしている。 「超受けるんだけど。捕まえてないじゃん」 「受けねーよ。ちょっと待ってろ」  再度、設定を確認しボールを飛ばすと、コラッタはみるみる小さくなりゲットできた。俺の携帯と違いパネルの反応が鈍いようだ。
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