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矢は木の上から飛んできたがーー
矢が飛んできた元は三方向。
的確に俺の頭部を全て狙っていたな。
それが指すものは、俺に対する明確な殺意。
ーーグレイと敵対する勢力か?
ゆっくりと、紅雪を抜刀する。
静寂な森に美しい刃音だけが響く。
「何が目的でこの森に来た!人間!」
透き通るような女性の声が不意に俺の鼓膜を揺らす。
人間、というところに憎悪を感じ取らせるような言い方。
俺に対する敵意ではなく、人間という事実に対する敵意、か。
「案ずるな、何もお前らをどうこうしようというわけじゃない。
ただ、人間の世界に少し居づらくなったのでな」
自身の口から紡がれる自虐的な言葉に、自分自身でも少し戸惑った。
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