序章

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自分がどこにいるのかさえわからない暗闇。 背中に当たる冷たく硬いもの。 人が1人寝転ぶことで精一杯の狭い部屋。 俺は手首につけられた手錠をがしゃりと鳴らしながら起き上がる。 ああ、そうだ。 俺は捕まっていたんだ。 ジル・エグソディル SSS級犯罪者。 騎士団のものたちからは“冷炎”と呼ばれていた。 騎士団ーー国営の騎士団は犯罪者を捕らえ、王族や貴族を守り、秩序と平和を守ることを掲げている団体だ。 俺は貴族狩りを行う超凶悪犯罪者、ということになっているらしい。
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