序章

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ここに入れられて何年経つだろうか。 確か、捕まったときは8歳だったかな。 通常、人というものは10歳で魔力に目覚める。 だが俺は、4歳で目覚めるという特殊な例だ。 更に普通であれば属性を一つしか持たないはずなのだが、俺は炎と氷という相反する属性を授かった。 当時住んでいた村の者たちは4歳の俺が持つ膨大すぎる魔力の量と相反する2つの属性に怯え、悪魔の子として幽閉した。 そしてその村を治めていた貴族は悪魔の子を産んだ一族として俺の家族を根絶やしにした。 泣き叫ぶ俺の目の前で。 そこからの記憶はない。 ただ、気がつくと燃え上がる青白い炎がすべてを凍てつかせていた。
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