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「問題は英語だよね、私も苦手だけど太郎君、
赤ちゃんになったつもりで全部覚えなさい、そのほうが楽かもよ」
「おら、日本人ともほとんど話してないのに英語だなんて、
村の数人としか話した事ないのにそんな外国の言葉って・・・」
かなり苦痛の表情だった。
二人はビデオショップで洋画のビデオを数枚借りて見る事にした。
太郎は興味深々だった。外国の白人、黒人、金髪を見て驚いた。
興味を示したようだ。
「でも、勉強って何か疲れるね、おら畑仕事の方が性に合ってる」
「太郎君、その畑仕事をもっと勉強すればすごい野菜が
作れると思うんだけど」
大学で勉強すればもっと楽しくなるよと励ます千春だった。
二学期が始まる数日前、太郎は高校のテストを受けた。
太郎には難しかったが高校から編入の許可を得た。
太郎も千春も大喜びだった。
二学期が始まり太郎が登校すると予想通り道子とみどりが喜んだ。
他のクラスメートも新鮮な新人に喜んだ。
学校生活は楽しかった。
太郎は学校で勉強できる事に心から感謝した。
勉強は意味が分からない事が多かったが千春が根気よく教えてくれた。
10月の後半に学校の文化祭があった。
小さな学校だったがそれなりに活気が溢れていた。
各グループに分かれて催し物を開くのだ。
太郎は千春と道子と同じグループになった。男子は同じクラスの
安部伸介と山内隆の5人だ。
全員興味深々でアイデアを考えていたが、山内隆がどうせやるなら
派手なお化け屋敷にしようと言ったので全員が賛成した。
「よし、決まった、お化け屋敷にみどりを連れて来て怖くて泣きそうな
彼女を俺が助けるんだ、太郎と伸介はみどりを怖がらせる役な」
秘かにみどりが好きな山内はやる気満々だ。
「私達がみどりを連れて来たげるから、でも変なことしちゃダメよ」
釘を刺す道子だった。
家に帰った千春は太郎を気使っていた
「お化け屋敷だなんて、太郎君気にしないで、
誰も分かっちゃいないんだから太郎君の事」
「またまた、そういう千春ちゃんが一番誤解してるんだよ、
おらお化けじゃないから、以前に死んで蘇ってきただけだから、
とにかくおらお化けじゃないよ」
必死に弁解する太郎だった。
「じゃあ、太郎君お化け知らないの? 見たことないの?
あの世で、太郎君知り合いかと思った」
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