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「あのね、死は無になるんだよ、千春ちゃんも体験してるよね、
眠った時、夢は別として何も覚えてないよね、意識もない、
時間の感覚もない、それが永遠に続くのが死なんだ、
おら白神様の遠吠えでこの世に戻ったけど」
なんだ、参考にならないわね、とあっさり言った千春は
パソコンで幽霊を調べた。太郎も横に並んで見た。
「うわーっ! 幽霊ってこんな顔してんの! めちゃくちゃ怖い」
太郎は震えて千春の腕にしがみ付いた。
鳥肌を立てて怖がっている太郎を見てこりゃダメだわと呟いた。
画面の中でも一番怖いお岩さんの画像をコピーして私はこれと決めた。
太郎には一つ目小僧がいいと勝手に決めた。
太郎は千春から離れ、自分の机に向かって何やら勉強し始めた。
千春は側に行って準備しないのと聞いた。
「おら、この世に蘇って本当に幸せもんだと思った。
腹一杯ご飯食べれるし畑仕事も楽しい、冬も寒くない、
それに勉強ができるんだ、真理と同じ魂を持った千春ちゃんが
勉強教えてくれる、おら嬉しくて・・・
だから今の時間を一秒でも無駄にしたくないんだ、
これから寝ないで頑張る、真理も喜んでる」
真理ちゃんの魂はここに居るわよと千春は太郎の手を自分の胸に当てた。
「本当だ! おら真理が羨ましい、こんな柔らかい
ふわふわしたとこに居るなんて、おらここ大好きだ」
「なに人のオッパイ揉んでんのよ、あんた意外とスケベなんだね」
千春に叱られて真っ赤になる太郎だった。
文化祭当日、学校全体が華やかに賑わっていた。
太郎と千春のグループ、お化け屋敷も盛況だった。怖いもの見たさで
女子に人気があった、その後を男子がぞろぞろ付いて来た。
女子は屋敷の中でキャーキャー騒いでいた。女子よりも臆病な
男子は大声で騒いだ。
特に千春のお岩さんは迫力があって怖かった。
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