第1章

3/3
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
道を塞ぐように止まっているパトカーに近寄って来た人達は、その周囲て銃を乱射している警官達に掴みかかり、その身体に歯をたて肉を食い千切る。 それを見て、残りの警官達は助けを求める仲間を見捨てて逃げ散った。 墓場の方から歩み寄って来る奴らは、逃げようともがく警官達に次々と覆い被さり、その肉を噛み千切る。 警官達の肉にありつけなかった奴らは、家の前を通り過ぎ町の中に歩み去って行く。 そんな奴らの中に、俺は、俺の下を去って行った家族の顔を見つけた。 家族を見つけた俺は、自衛の為所持している2丁の拳銃とショットガンを棚から取り出し、弾が装填されている事を確認する。 2丁の拳銃をベルトに差し込み、ショットガンを手にして家の外に出て門に歩み寄った。 懐かしい2人が門の近くに来たとき、門を開ける。 邪魔な奴らや掴みかかってくる奴らの頭に弾丸を撃ち込み、2人を中に招き入れた。 2人は招き入れた俺に掴みかかり、腕や足に食らいつく。 俺に食らいつく2人を、庭に引きずり込むように入れ門を閉じた。 その場で俺は膝をつき、2週間前、交通事故で俺の下を去って行った妻と娘の頭を抱え、声をかける。 「おかえり」 言葉をかけ、抱きかかえるように抱きしめる俺の首筋に、妻と娘は左右から食らいつく。 頸動脈を噛み千切られ意識が無くなる寸前に頭に浮かんだ事は、これでまた、家族3人水入らずの生活に戻れるという思いだった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!