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自動ドアが開き、ひときわ大きな声が店の中になだれ込んできた。数名の男らしい。
どこかで見かけたことがあった。
男たちは僕らに気が付くと、笑顔でこちらに向かってきた。
誰だっただろうか。
「またそんなのと一緒にいる」
男は君に向かって言った。
そうか、君の友人だった。明るくて活発そうな、日焼けの似合う男たち。
君と僕が出会った時に、一緒にいた彼らだ。
僕はぷかぷかと息を吐いてはそれを吸ってと遊び始めた。
浜辺の泡を思い出す。
僕は上がってくる泡を見ていて、君は彼らと遊びに来ていた。
「デニム浸かってるけど、いいの?」
声をかけてきたのは君だ。
動かない僕が気になったらしい。
僕は集中すると周囲が見えなくなる癖がある。だから声をかけてもらって助かった。服への被害が最小限で済んだのだ。
そんな知り合いかたをし、なぜか連絡先を交換することになり、出掛けるようになった。
君は彼らの中心だ。そりゃそうだろう、今日の格好だってシンプルな白いシャツにタイトなジーンズだというのに、誰よりも華がある。
対して僕は大学でも煙たがられているらしい。
そんな僕にも君は明るく優しい。
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