0人が本棚に入れています
本棚に追加
「関係ないでしょ」
君の冷たく素っ気ない声が耳に入った。
あれ、いつもより冷たくないかい?
君はもう少し、彼らに対してはふんわりと断っていたと思うが。
僕は遊ぶのをやめ、君に目をやる。と、男と目が合ってしまった。
「お前さ、いい加減開放しろよ。変人の飼育なんて彼女には似合わないだろ。俺たちと遊んでた時のほうがよっぽど――」
口を開くたび、男の口からぷかぷかと零れていく。
可哀想に勿体ない。そう思った。
「でも好きだから、しょうがないんだ」
彼らがあまり息を使ってしまわないように、といろいろそぎ落として吐いた。と、男たちが呆けた顔をし、君も目を見開いて僕を見た。
僕は動揺し、彼女に助けを求める視線を送った。
君は魚につつかれでもしたのかくすぐったそうに笑い、男たちに顔を向ける。
「好きだもの、しょうがないじゃん」
君をつついていた魚だろうか、僕の頬もつついていく。
――
最初のコメントを投稿しよう!