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お笑い本舗の公演があるときは、お手伝いに参加し、舞台の作り方や演出を学ぶことができた。
しかし、あくまでもお手伝いのため、これで入団できるわけではないし、収入を得られるわけでもない。
しかし僕は、あきらめずに公演があるたびに、かかさずお手伝いに参加した。
お笑い本舗の公演のお手伝いをはじめて1年程度経った時、お笑い本舗を代表する芸人の「片桐 裕子」さんから声をかけられた。
片桐さんは、テレビ番組のMCとして、多くのテレビ番組に出演している国民的に人気のあるお笑い芸人で、僕もとても尊敬する人物だ。
「お笑い本舗の公演で、よく見かけますね?
お手伝いとして参加されているのですか?」
あまりの突然の出来事に、僕は極度に緊張してしまい、
「は、はい、そうです。」
と答えるのがやっとだった。
すると、片桐さんは、さらに質問してきた。
「お笑い本舗の団員になりたいですか?」
僕は、すかさず、
「はい、僕は、お笑い芸人になりたいです。」
と自分の気持ちを正直に伝えた。
片桐さんは、僕の目をしっかり見据えて笑顔で、
「どこまでお力になれるかわかりませんが、まずは入団手続きをしてください。
私からスタッフに話しておきます。」
と暖かい言葉をかけてくれた。
僕は、
「はい、ありがとうございます。」
と深々とおじぎしながら答えた。
その後、お笑い本舗のスタッフの方から声をかけられて、入団手続きをすることができた。
僕には夢のような話で、お笑い芸人になるための階段を、やっと1段上ることができたような感じがした。
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