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私は19歳の時
高校生から付き合っていた彼
(木村 隆)と子供が出来、結婚しました。
暴走族に入っている不良と言われてしまうような人だったけど
子供が出来てからは
仕事も一生懸命で
仲間とはあまり会わず
優しくしてくれ幸せでした。
でも
そんな生活は長く続く事はなく
次第に1人で外出するようになり
バイクを乗り回したり
ケンカをして帰って来たり
警察のお世話になる事も…
毎日仕事もせず遊び歩き
何日も帰って来なかったり…
そして
お酒を飲むと大きな声を出したり
暴力を振るわれたり
時には吸っているタバコを押し付けられたり
大家さんには
近所から苦情が出ていると
何度も注意されました。
隣の部屋の布川さん夫婦は
私達を“ゆうちゃん”“あゆちゃん”と呼び、いつも気にしてくれて
彼が暴れて出て行くと
救急箱片手に
「ゆうちゃん大丈夫?
あゆちゃんは?
ご両親か警察に相談した方がいいよ!」
と何度も声をかけてくれました
でもなかなか行動に移せなくて…
そしてあの日久しぶりに帰って来た彼
ベロベロに酔って
また暴力を振るわれました。
「ゆうちゃん大丈夫?ゆうちゃん!」
布川さんが玄関を叩く
「うるせーババァー!」
「お願いだから、ここを開けて!」
「うるせって、言ってんだろ!」
そばにある物を手当たり次第
玄関に投げつける
「木村さん、どうしました?
警察です、ここを開けて下さい」
「うるせーっ!」
泣いてる愛優を抱きしめながら
ただただ絶える
「テメーなんで連絡してんだよ!」
「して…ないよ…
でも…大きな声出したり
音立てたら迷惑だから、もうやめて」
「うるせー!
ぶっ殺してやる!」
愛優を守る為背を向けた瞬間
「…っ!…」
グラスが私の背中に飛んで来て
割れて刺さる
痛みよりも…もう死にたい…
その方が楽になる
もう終わりにしたい
楽に…なりたい…
「殺し…てっ…
でも…でも愛優だけは…
助けて…お願い」
その時大きな音と共に玄関が開き
警察の人達が暴れる彼を抑える
そして布川さんが愛優を抱きあげてくれ
私は…意識を手放しました。
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