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「、、、、、、、、ガーゴイル!!」
コスプレ男はそう呟いた。ゲームか何かで聞いた事の有るようなその名前に誰も反応する事は無かった。ただアタシの側にコスプレ男がたまたま居た為聞こえてしまっただけの話である。しかし、バスの中はもうそれ所では無かった。
「何なんだあの化物は!!俺達のバスを追いかけて来てるんじゃないのか!!」
誰かがそう叫んだ事によりバスの後方に乗っていた人々が前方に押し寄せて来た為、身動きが取れない状態となった。と言うよりコスプレ男と密着する事が不快でたまらなかった。
ーーーーーーーーガシャァァァァァッァンンン!!
走行中のバスが大きく傾いた。見ると後方には黒く大きな蝙蝠の羽を纏った鬼のように角の生えた大男がガラスを破って中に入ろうとしていた。バスの混乱は加速度を上げ泣き叫びバスを止めんとする人々が運転席に詰め寄った。
「止めろ!いや止めるな!後ろの化物何とかしろよ!アンタこのバスの責任者だろ!」
逆上する乗客に言い寄られるが、バスの運転手は思ったよりは冷静な様子で、止めればあの化物が簡単に中に入って来てしまう事を理解していた。故に、速度は上がっている事が解ったがどうやら重量的に、これ以上は速く出来ない様子であった。
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