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後ろの座席全体が空いた状態のバスはガランとし、前方は逆に人が押し寄せてる状態である。しかし、その人混みを掻き分けて後方に飛び出した馬鹿が一人居た。
「、、、、、、、、来い!俺が相手だ!!」
そう言い、剣に手をかけたまま叫んだのは、案の定あのコスプレ男であった。場違いな化け物に場違いな恰好のコスプレ姿のイケメンが対峙する。バスの中の特撮撮影会場にも思えない事も無いような状態で沈黙は保たれた。
ーーーーーーーーキシャアァァァァッァアッァァァ!!
ガーゴイルだと断定していたあの化物が叫びながら無理矢理バスに乗り込んでくると、コスプレ男は握った剣を引き抜いた。しかし、そこに驚くべきは何と刀身が無かった。これではグリップだけのバットのような物である。
しかし、本当の意味で驚くべき所はそこでは無かった。その剣の柄を握り直し、瞳を閉じるとコスプレ男は叫んだ。
「光よ!!我が覇道の前の敵を蹴散らさんと、今こそその真の力を解き放て!!」
叫びながらゆっくりと瞳を開ける。まるでそこから光が収束し集まる様に光の刀身が現れた。白く発光する刀身の剣を握り身構えると、コスプレ男は剣を弓を引くかの様に後ろ手に構えると一気に飛び出した。
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