出社した彼女とついて来た勇者

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「うおぉぉおぉぉぉぉ!!!滅びろぉぉぉぉぉぉ!!!」  飛び出したコスプレ男の剣は、男の体ごと光で纏うようにして、その神々しさを集約しつつ猛進する。それと同時に男の体ごとを包み込み光の玉の様にして化け物へと突進を行った。 ーーーーーーーーグァァァァァァァッァァアア!!!  ガーゴイルが光に触れた箇所から灰のように崩れ去っていく瞬間が見えた。その光景を沢山の人々が目撃していた筈であったが、閃光の後まるでそれが夢だったかのようにバスに乗っていた乗客達は全員この後、気を失っていた。  そして最初の一人が目を覚まし、乗っていた乗客を全員起こす事になった叫びを聞くまで三分ほどの出来事であった。 「おい!!バスが!!あのにーちゃんは何処行ったんだよ!!これ何なんだよ!!」  バスは止まっていた。どういう仕組みかは解っていないが、道路の端に寄ったバスは二度と動く事は無い姿のまま放置されていた。バスの後方、コスプレ男と化け物が一緒に光った場所からまるで何か綺麗に切り取ったかの様な状態で、バスの後方が消滅し無くなっていた。  この日、ニュースの一面を飾ったニュースであったが、後部のバスの破片が無く負傷者0の不可思議な出来事が、一般人の頭の中から消えるのはあっという間の出来事であった。  そしてアタシはその日、弁解はさせて貰う事は出来たが、ご想像通り盛大に遅刻をした。
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