出社した彼女とついて来た勇者

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ーーーーーーーープシュ!  プルタブを起こす音程心地良い物はこの世には無い。もっと言えば今日一日の疲れをビールで癒す事ほど幸せな事も無い。アルコールが喉を通る度に大人になって良かったなぁと感じていた。 「ングゥングゥ、、、、、プヒャァ!生き返った。やっぱり風呂上りはコレよね」  そう言いながら、風呂上りの短パンとタンクトップ姿のまま濡れた髪をタオルで拭きつつビール缶を咥えていた。眼前に見下ろすのは縛り上げられたコスプレ男である。一応、入念にきつめに縛り上げていた為動かなさすぎて生きているのか解らない。 「仕方ない。口に巻いたタオル位は外してやるか」 「グハァ!こ、、、、殺す気か貴様!!私はかつて魔王をも滅ぼした、、、、、、ゲハァ!!」  外した途端、五月蠅いと感じたので縛った身体を椅子代わりに座ってみた。ちょっと顔を赤らめて照れている所を見るとコイツはMなんじゃないかと思った。イケメンのM。妄想だけが先走りそうになった為、思考を振り払った。 「仕方ないでしょ!健全な男子と女子は一つ屋根の下では暮らせないの!つまりはお風呂に入るにもこうしないといけない義務が有るの、この世界では!」  コスプレ男に乗っかってみた発言で言ってみると、意外にも理解した様子を見せ大人しくなった。大人しくなった為、縄を外してやるとコスプレ男の衣服の汚れや汗の臭いが気になった。有り体に言えば物凄く汚れていた。 「貴方臭うわよ!お風呂貸したげるから今すぐ入って!後、汚い衣服で部屋に入らないで!」 「承知した。風呂とは湯あみの事だな。解った今すぐこの世界の礼儀に習い、お前を縛り上げよう」
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