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ーーーーーーーーその時だった。
突然、窓が勝手に締まりまるで大型バスで部屋ごと運ばれているかのように、部屋全体が跳ね上がった。段々と部屋全体が白んでいる事が見て取れるほど異常が充満した室内で思わずアタシは叫んだ。
「嘘!酔いがまだ残っていたの!、、、、、、、薬でも飲もうかしら、、、、、、」
この奇跡の様な不可思議の中で自分の酒飲み加減を理解していた為、単に二日酔いが此処まで来たかと現実逃避交じりに呟くと、先程汲んで置いたコップの水でも飲もうと手を伸ばしたその時であった。
「何?これって、本当に酔ってるの?水ってこんな風になるの初めて見た」
コップの水が渦を巻き水柱の様に自分の背丈ほどの高さまで伸びて来ていた。寝癖の頭を再び掻き毟り、目を擦り直しメガネをかけるとそこには確かに水柱が立っていた。何事かと呟く暇も無く再び異常は進む。
水柱がゆっくりと此方に曲がって寄って来たのだ。そしてアタシの眼前にまで来ると渦巻く水の頂点は丸みを帯びたかと思うと、そのまま天馬の形に変化し、天馬の部分以外はコップに戻り天馬と見つめ合うような形となった。
「え?えーっと。馬?空飛ぶ水の、、、、、、、、、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
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