時が過ぎればヒモ勇者

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「頼む後生だ!しばらく此処を離れるからあの女を追い払ってくれ!!」  ヒモ勇者は慌てたじろぐ姿をコンビニは初めて見た。日頃の鬱憤は有ったが今日はストレス発散に付き合って貰った借りもあるので、何処かに追い出してやるかと仕方なく”暫くヒモ勇者を公園にでも行って来い”と言ったその時だった。 「あの、勇者様、、、、、、、、ですよね?アタシです!シズール村のハーフエルフ”ミトン”ですよ!」  玄関から飛び出したミトンと名乗る美少女は、そのたわわに実り過ぎた巨大な胸をヒモ勇者に押し付けると、二度と離さんとばかりに腕をがっちりと絡め、どこぞのバカップルの様にも見えない事も無かった。ちなみにヒモ勇者の魂は何故か此処に有らずである。 「ロリコンと巨乳はこの国では死罪っっっ!!!」  コンビニは心の赴くまま叫んだ。勿論羨ましいとか妬ましいとか悔しいとか自分のと比べて嘆かわしいとか色々思ったり思わなかったりではあったが、とにかく叫んで出た言葉がそれだった。そして二人は聞いてなどいない。  とにかく暑かった為、中に入る事にした。このクソ暑いのにラブコメるような雰囲気を、突然醸し出した二人にコンビニは家の敷居を跨がせたくは無かったが、とにかく文明の利器(クーラー)にあやからんと二人の事はともかく、すぐさまエアコンのスイッチを入れた。  そして、中に居たはずのハーフエルフのミトンは汗一つかいていない事に気がついた。しかし室内は暑い。まぁファンタジーな方々は時として非常識さを常備する物であると考え、ミトンの事は考えるのをすぐに止めた。と言うか面倒になった。
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