花嫁暴走記

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 ヒモ勇者とミトンを残し、仕事に向かう。昼間に二人が何をしているのかは知らないが、正直興味もないしどうでも良い。恐らくではあるが間違いは起こら無さそうでも有ったのと、面倒なのでコンビニは関わりたくないと言うのが本心であった。  家に居ない間、部屋の片づけや戸締りに問題が無かったのと、どういう経緯で手に入れたかは解らなかったが、時折冷蔵庫が食料で一杯になる為、もう少し置いてやってもいいと言う慈悲心も生まれた。  しかし、職場が癒しの場になるとは夢にも思わなかった。今は家よりも落ち着いた場所に変わっている。何せ非常識な連中が居ないのである。それだけでコンビニの心の平穏は守られた。 「……………お茶、ウマッ」 ーーーーーーーー落ち着いて茶を飲める環境の大切さを、日々職場で仕事もせず噛み締めた。  ちなみにミトンの事であるが、どうやら向こうの大賢者様とやらに無理矢理言って此方に送って貰ったらしい。勿論、ヒモ勇者目当てである。村を救った勇者である事には変わりは無いらしいがあの懐き様は未だ異常だと思わないでも無い。  しかし、ヒモ勇者に話しを聞くと彼女の村を救った際、村の殆どが魔物に襲われた為、壊滅寸前であったと言う話であった。恐らくではあるが天涯孤独なのかも知れない。ならば少しは彼女の気持ちも今になっては解らないでも無いと思える様にはなった。
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