出社した彼女とついて来た勇者

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出社した彼女とついて来た勇者

 昨日は盛大に飲んだ。しかしどうしてこうなったのかが分からない。親友のともみに連絡し、昨日自分が男を連れ込んだかを聞くと”昨日行った時には居なかった”とドライな回答と共に通話を切られた。 「、、、、、、、、おっかしいなぁ?昨日は一人で飲んでたんだけど。あ、スピカさんに餌出さないと」  そう言い、出社用のスーツに着替えをしながら器用にもお茶碗に水と餌を入れ、そのまま頭を整えると洗面所が無い為、台所で顔を洗いそのままテレビを付けた。問題は此処からである。朝ご飯のゼリーを一気飲みすると目の前の荷物に目をやる。  どう見ても男である。いつもなら腰まである髪の毛を解いてゆっくりコーヒーでも飲んでいる時間であるが、この男の所為でスピカさんも何処かに行ってしまっているようである。  起こすかどうか以前に、この男の衣服が気になった。剥ぎ取られた甲冑の下には青い上着。その胸元には馬鹿でかい緑の宝石。黒いベルトで絞められてはいるが、どう見ても獣の皮で出来ているズボンは少し臭った。そして問題は腰にブラ下がった物である。  勿論、下ネタでは無い。腰には左側にはお盆サイズの装飾煌びやかな丸い盾。そして、その反対側には無骨であるにも拘らず何処か気品あふれる彫り物をされた剣が携えられていた。 「、、、、、、、、銃刀法違反だと思うんだけど」  勇者と言う言葉では出る筈もなく、コスプレ狂の危ない危険人物にしか見えなかった。警察を呼ぶかどうか考えていたが、顔を見ると流石にそれが出来なかった。と言うかそれはしたくなかった。
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