花嫁暴走記

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花嫁暴走記

ーーーーーーーーそして一週間はあっという間に過ぎて行った。 「おはようございます勇者様!ミトンの手作りの朝食が出来ましたよ」  台所は毎朝壊滅状態であった。焦げたフライパンが三枚積み上がり割れた皿と焼け焦げた菜箸とヒビの入ったコップと何に使ったか解らない調理器具が散乱する有様であった。勿論、台所の壁は全て煤で薄汚れていた。  ちなみにヒモ勇者は起こされずとも工事現場かと思う程の轟音と破壊音が鳴り響いていた為、既に自分で目覚めていた。と言うより起きる他なかった。三半規管大丈夫かなと少し心配する程である。 「あぁ、起きてるよ。コンビニ以外はな。後五分かな布団片付けるわ」  ちなみにコンビニは強者ぶりをこんな所で発揮していた。朝どんな轟音もどんな異臭も気にせず眠る事が出来ると言う特技の様な物であった。しかし不思議な事はこれだけではなく、職場に向かう時間になると、まるで機械の如く行き成り目を覚ますのであった。  朝食の準備が出来た三人は同じテーブルに着く。ちなみにミトン以外の二人は目ヤニを付け怒髪天のままで、寝起きを絵に書いたような恰好のままの姿であった。朝食をりながら今日の予定を二人に教え家に帰るまでにやっておく事を伝える事が日常となっていた。  これは余談であるが、ミトンの料理は美味しくも無ければ不味くも無いと言ったコメントに困るような素朴な味の料理が多かった。その理由を聞くと異世界での料理を似せた為だと本人は語っていたのを今になって思い出した。
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