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古くから、魔法使いの使う道具の一つに『箒』がある。魔法使いはこの箒を、自分の魔法で自由自在に操る術を最初に教わるという。
箒の用途は主に『掃除』と『移動』の二つである。床の埃を掃いたりする箒本来の使い方の他に、魔法使いはこの箒に跨がって空を飛んで移動する。魔法使いにとっての箒とは、ただの掃除道具ではなく、生活の足としての面も持ち合わせているのである。
足で歩くより体力の消耗が少なく、障害物等の制限も殆ど受けない上、自身の魔力で飛ぶ速度や高度も調節出来るので魔力をコントロールする練習には最適と、何かと利点が多い上にそれほど難しいものでもないので、この『箒を操る魔法』は基本的な魔法の中でも一番重要なものとして位置付けられている。他の魔法は使えなくても、箒で飛ぶことは出来るという魔法使いもいるほどである。
そして何よりも、この魔法を最大限に活かした職業が存在する。
それが『トランスポーター』、所謂運び屋と呼ばれる職業である。
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