彼女は●●●●

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「お腹はぜんぜん大丈夫ですよ? だってわたし、実は、ゴ(以下自主規制)ですから――」  そこまでをいったところで、彼女は、はっとしたように口に手をやって言葉を切った。 「あっ、ヤバ――いっちゃいました……」 「ゴ(以下自主規制)?」  浩太は必死に脳を回転させた。が、彼女の発言を 「んー? ちょっと頭を整理させてくれ。お前がいうゴ(以下自主規制)っていうのは、その――黒光りしていて、カサカサ素早く動いて、あろうことかたまに飛んだりする、あのゴ(以下自主規制)――とかいうわけじゃないよな? そんなわけないよな?」 「いえ、その、ゴ(以下自主規制)で正しいですよ?」  改めて、その姿を見てみる。  黒色のワンピース――狙ってなのか?  しかも、髪の毛も墨を垂らしたような真っ黒で光沢がある――狙ってなのか?  そして頭の頂点のアホ毛。びよんと二本伸びている。そう、まるで触覚のように――狙ってなのか?  もしこれらが、例えばゴ(以下自主規制)を意識したファッションか何かだとすれば、彼女はゴ(以下自主規制)に並々ならぬ愛情を持った人間である、という可能性もありえる。  ただ常識的に、そんな女の子がいるだろうか。姿だけ見れば、高校二年生の浩太と同じか少し歳下くらいに見える。ゴ(以下自主規制)好きの同級生なんて聞いたことがない。  としたら、コイツは本当に――?  まずは冷静に対処することにした。彼女をリビングに連れていき、散らかったソファの上の新聞紙をテーブルに移動させ、そこに座らせた。
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