彼女は●●●●

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「おーい、コーカ」  返事がない。 「おーい」  そこでふと思う。 「コーカ。大丈夫か?」  コーカは、ゴ(以下自主規制)なのだ。普通、普段、風呂に入ったりするはずもない。だから、熱湯に耐性がないのではないか。それは人間の姿をしていても同じなのではないか――。 「コーカ。開けるからな」  浩太はおそるおそる、扉を開いてみた。 「ふえぇ……この匂い……ダメですぅ」  浴槽の中に、目をぐるぐると回して、ぐったりしているコーカがいた。  特徴の触覚のような髪の毛――というか触覚?――が、だらんと力なく垂れ下がっている。  鼻をひくつかせてみて、ようやくわかった。カビ取り洗浄剤の臭いだ。  昨日、入浴後に念入りに風呂掃除をしたこともあり、その匂いが僅かだが浴槽に残っていた。熱湯ではなくそっちにやられたらしい。  浩太は、コーカを抱きかかえて外に引っ張り出した。もちろんバスタオルで身体は隠した。 「人間の身体で助かりましたよぉ……。本来の姿だったら、死んでたかもしれないですぅ」 「まったく。死んだかと思って焦ったぞ――」  って、なんで俺はゴ(以下自主規制)の身体の心配なんてしてんだよ――。  なんか急に虚しくなる浩太だった。
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