第1章 ゆめ

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自己紹介が遅れてしまったがおれの名前は秋野 ツバキ。多分どこにでも居るであろう、ごく普通の高校生だ。 取り柄といえば、子供の頃から空手・柔道・合気道を習っているくらいだろう。そのせいか、運動は苦手じゃない。 勉強は苦手なのだが…。 「さて、と。そろそろ学校いくかな。いつもより早く目が覚めちまったしな…。」 俺は身支度を整えて家を出た。 いつもは遅刻ギリギリのせいで、登校時は他の生徒は少ない。しかし、今日はいつもより早く家を出たせいか、他の生徒がたくさんいる。 「やあ、秋野 ツバキ君。登校時に君と会うなんて、もしかして僕も遅刻ギリギリだったり?」 そんなムカつく口調で俺に話しかけてくるのは、幼稚園の頃からの友達…。いや腐れ縁なだけの知り合いの男は、櫻井 春樹だ。 「うるせーな!俺がいつもいつも遅刻ギリギリだと思うなよ!俺だってたまには間に合うわ!ボケェ!」 「本当に『たまに』だけどね。槍が降るどころか一周回って何も降ってこないようだけどね。」 「このスカしイケメン優等生めが…。」 そんな他愛もないバカ話をする程度には仲がいいわけで。そして俺たち2人の名前もあって『スーパー季節ブラザーズ』と呼ばれている。 どこの誰が付けたのだか知らないが、絶妙にセンスがない。まるでどこぞのM・Lのおっさん兄弟のような名前だ。
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