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そんな朝早くの登校時間、なにやら路地裏の方がやかましい。
「なんやねん!このチビデブスおっさん!はなしてぇや!ガッコ遅刻してまうやんか!」
「デュ、デュフフ!おっさんは認めるけど、デュフ!チビデブスはヒドイなぁ、おじょーさん!フフフフ!デュフフ!」
「キモいわ!鼻息荒いし!なによりも臭い!カレーを2ヶ月ほっといて、最後に腐った沢庵を乗っけたような匂いやわ!」
なにやらキモくて臭いチビデブスなおっさんに関西弁の女の子が絡まれてるらしい。
匂いの例えが絶妙にわけわからない。嗅いだことがあるのだろうか…。
「ぎゃー!!!お、おお、おっさん!それ刃物ゆうてな!?人を刺すと死ぬんやで!?」
「なあツバキ…あれって結構ヤバ…?ってツバキ!?」
正直言って、助ける義理なんてない。それに俺じゃなくてもいいだろう。もう少しすれば他の誰かが助けるだろう。
でも
「んなこたぁ関係ねぇよ!!おい!おっさん!」
「なん…!オゥフ!!!」
「まずは1発っ!!」
振り向きざまのおっさんの顔面目掛けて拳を叩き込む。
「い゛…い゛だぁぁぁ!!いだい!いだいぃ!!」
「女の子1人を相手に刃物持ち出すなんてなに考えてんだ!」
「ぶ、ぶひゅ…!いたい…!こんのぉ!なにすんだぁぁぁあああ!!」
おっさんはフラつきながらも立ち上がり、刃物を両手でしっかりと握りしめてツバキの方へと走ってくる。…が。
ツバキは軽やかな足さばきで走ってきたおっさんの右横へと移り、左手でしっかりとおっさんの手首を掴み、そして即座に足払い。
おっさんはヘッドスライディングを豪快にかます形になった。
「あぶし!あ゛だぁぁぁぁ!」
「アホか!お前みたいなデブが俺に一発かますにはあと100年でも足りねぇよ!」
「ぶひゅ…!ママァーーー」
その声と共にチビデブスな臭いおっさんは、元よりも2倍不細工な顔になり走り去っていった。
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