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正直言って不気味だった。今まで自分が見ていた夢とそっくりだった。
俺が呆気に取られていると、青葉はこう続けた。
「そんでな?その夢な?おっきな木の下に行くとな?フッと覚めんねん。それにな?その夢、一回やないねん。何回もあってな?この前なんか…」
青葉がそこまで口に出すと突然、春樹までもが口を開いた。
「貴方はどんな力がほしい…。って聞かれたのかい?」
「せ、せやせや!聞かれた!」
ゾッとした。「そっくり」なんて言葉じゃ効かない。俺が見ている夢と全く同じ夢を、2人は見ているのだ。
夢ではあんなに幻想的で、美しくて、憧れて、壮大だったのに、今では「悍ましさ」さえ感じる。
「へえ、2人して同じ夢見てんのかー。そりゃ不思議な現象だな!そのうち俺もみるかもなー…。なんちゃってな!」
なんでだ。「俺も見たことある」が言えなかった。
何故だかわからない。でも言えない。なんと言えばいいのだろうか。まるでホラー映画でも見ているかのような恐怖に襲われた。
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