4人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜は言い表せない恐怖のせいか、寝る気にはならなかった。
しかし、眠気はやってくるのである。
その眠気を紛らわすために、漫画を読んだり、ゲームをしたり、色々なことをやった。
「流石にやる事が無くなってきたな。」
やる事が無くなり、ぼーっとしていると聞こえてくるのは時計の秒針が動く音と、外を自動車が走る音くらいなものだ。
昔きいた、静かな所にいると自分の心音が聞こえてくるってのは本当らしい。
様々な音を聞いていると、俺は異変に気がついた。
「なんか…頭がいたいな…。」
さっき聞いた時よりも心臓が若干早く脈を打っている事がわかる。
頭痛は次第に大きくなり、耳鳴りまでし始める。
さらには、さっきまでは何ともなかった眠気までが牙を剥き、襲いかかってくる。
「いっ…!」
痛みに苦しみ、身体を横にすると痛みが和らぎ、代わりに眠気が増してきた。
意識がスーッと遠のき、次第に周りの景色がとろけて行く。
「眠い…。」
ハッキリとした言葉にならなかった。しかし、そこには強い意識がこもっていた。
最初のコメントを投稿しよう!