第1章 ゆめ

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ふと気がつくと、いつも夢で見ていたあの幻想的な景色が広がっていた。 「またこの夢なのか。ん?なんだか遠くが明るい…か?」 いつもと変わらないように見えた夢の景色はよくよく見るといつもと違う。 遠くの方が薄ぼんやりと明るんでいる。色で表すと「オレンジ」だ。 普段なら暖かく見えるであろうその光は、今のツバキにとっては少し不気味に思えた。 「あっちには行きたくないな…。」 光の方から目を背けようとすると、光の方で人影が2つ見えた。 いつもなら人影などなく、ツバキ1人の世界なはずが。 「春樹…?青葉…?」 根拠は?と聞かれれば何もない。何もないが、何となく「そうだ」と思った。 あの2人を行かせちゃいけない。行かせてしまえば、取り返しのつかない事になる。 そう思った瞬間に、夢の中のツバキの脚は全力で地面を蹴り、2人の方へ、「光の方へ」と走り出していた。
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