第12章 Killing Me Softly

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切なくて 全てから目を逸らし。 頬杖をついたまま僕は窓の外を見ていた。 少しずつ アンジュと過ごした別荘が遠ざかってゆく。 心がざわざわした。 こんなにも感傷的に 後ろ髪惹かれるのは 生まれて初めてだった。 「リカ、これ。部屋にあったわ」 「……ああ」 僕は助手席の母に手渡された携帯を ぼんやりと弄る。 『リカ、おはよ』 メッセージが1件来ていた。 エルからだった。
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