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「ハロルドは普段飄々としていますけど、歴戦の士です。お姉さまに何かあればすぐに指揮を受け継ぐでしょう。戦闘が始まって1日も経っていないのにああやってのんびり帰ってくると言うことは、戦況がかなり有利に進展して、お姉さまが手を離せないから代わりに私達を呼びに来たとか、そういう事じゃないかなって思うの」 「そっか、なるほどねー」 「それにしてもユリアーナ様、お姉さまが撃たれたって話、どなたから?」 「それがね、理髪師が捕虜になって運び込まれた敵の負傷兵の中に、『王女が撃ち倒されるのを見た』と言っているのがいるって」 「その話はもう広まっているのですか?」 「多分ね。こういう話は早いよ、広がるの」 「お姉さまだったらなんて仰るかな・・・後方を攪乱する常套手段ね、とかかしら」
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