*1st Story*

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【千晃side】 私は残業が長引いて、帰り時間がいつもより遅かった。 「あぁ、もうこんな時間……。」 仕方なく、いつもは通らない人気のなく薄暗い近道から帰ることにした。 早足で道を進んでいくと…… (あ、誰かいる……) 幽霊だったら嫌だなと思いながら通り過ぎようとしたとき…… 「俺はなんで生まれてきたんだ……?」 「俺はなんで生きているんだ……?」 え、? びっくりしすぎて、足が止まる。 さっきまでの ゙怖い ゙がなんて忘れていた。 彼はなにか追い詰められているような感じがしたから、声をかけてみた。 「あの、大丈夫ですか?」 「えっ……?」 彼は不思議そうに私を見ていた。 暗くてあまりわからないが、とても透き通った声をしていた。 そしてあることに気づく。 「あ!怪我してますよ?!」 とっさに大きな声で言ってしまった。 彼は大丈夫と言っているが、私から見て大丈夫そうではなかった。 いつの間にか、私は彼を放っておくことができなかった。 だから、家に入れて手当をした。 そのあと、彼がお礼がしたいと言うので連絡先を交換して別れた。 私は一体なにをしているんだろう。 そんなことを思ってはいても、心は嘘をつけない。 この人とまだ一緒に居たい。 西島隆弘のことをもっと知りたい。 なんて思ってる自分がいたんだ。
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