嵐が来る

2/21
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
空がゆっくりと暗くなっていく。 夕方からは雨が降り出すだろう、とニュースで言っていたのを思い出した。 窓の外の街路樹が、さわさわと揺れている。 土曜日の午後。 休日だというのに、このカフェは空いていた。 そして彼と私の間は、奇妙な沈黙が支配しはじめている。 もう話すことはないのかもしれない。こうして向かい合うとそう思う。 それでも会いたいと思うのは、どうしてなんだろう。無くしたくないと必死になるのは、なぜなんだろう。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!