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篤志は私の言葉に傷ついている。
でも今そんな顔をするのは、ずるいと思う。いやいつも、この人はずるい。
そしてそれに流されてしまう私は、本当に愚かだ。
篤志は私の手を離さない。そしてとても優しく笑う。
優しいことは、優しいだけではない。あいまいな優しさは、きっと限りなく残酷だ。
私はそれを知っていて、それでもあなたから離れられない。
私はゆっくりと指をはずした。
彼の目がじっとそれを見つめる。
ぴかり、と白い光が走った。
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